絶滅が危惧されるオオルリシジミ 2013.5~7
yamayamanoboru yamayamanoboru
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 Published On Jul 6, 2013

オオルリシジミは年1回発生、成虫はクララの花芽に産卵し、孵化した幼虫は花芽・花穂を食べ終令幼虫へ成長、土の中で蛹化して越冬する生活環を営んでいます。
昔々、日本には軍馬など馬繁殖のため内陸部に草原が広がっていたそうな。また、燃料としての薪を生産するため、樹林が伐採され草原化していたそうな。人手の入った草原、荒地や川原など日当たりのよい土地にはマメ科植物多年草のクララが繁茂し、オオルリシジミが舞っていたことでしょう。草食動物は有毒なクララを食用としません。一方、人は有毒なクララを利用していました。
ところが、軍馬などの馬を必要としない時代へ、薪から化石燃料へエネルギー源が転換し、堰が作られ草原・荒地に水が引かれ稲作栽培が拡大し、河川や農地の整備が進み、化学農薬、化学肥料や機械化などなど、人の生活様式は一変してしまうのです。近代化の歩みと共に、オオルリシジミの生息環境が著しく狭められ、消失してしまいました。
かつて信州にはオオルリシジミが広範囲に分布していたそうな。しかしながら現在の信州には、オオルリシジミ生息地が距離を隔てた三つの市町村の特定地域に限定されてしまうほど減少してしまいました。各地では、オオルリシジミの保護活動が継続的に遂行されています。
昨今、人の生活は安全・安心な食料を求めてcompanion planting を併用した有機農法へ、環境保全型農業へ、地球環境負荷低減を目指し省エネへ、自然エネルギーの活用へ、環境対応車やエコドライブの普及へなどなど、以前の生活様式を大きく見直す方向へ舵を切っています。さてさて、絶滅危惧種オオルリシジミにとって未来は明るくなるでしょうか。いやいや、生息環境そのものが拡大しなければ・・・
今回は、オオルリシジミの成虫と幼虫の映像を収録しました。三脚を使い、雌成虫の産卵行動を撮影していると、活発に飛び回る雄成虫が飛来します。産卵している雌は羽根を振るわせ拒絶し、配偶行動が成立しません。いやはや、雄は何度も飛来しては求愛行動を繰り返します。片や、雌成虫の映像には惚れ惚れしてしまいます。幼虫は静止していることが多く、今回は移動している終令幼虫も撮影しました。アリの種類と行動も併せてご覧下さい。いずれにしても、極めて少ない幼虫の個体数です。来年の羽化まで、何頭生き残るのでしょうか。ではでは、来年も必ずお逢いしましょう !!

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