精神科の薬を全部解説
精神科医がこころの病気を解説するCh 精神科医がこころの病気を解説するCh
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 Published On Premiered Oct 1, 2024

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00:00 OP
06:36 抗精神病薬
14:37 抗うつ薬
19:16 気分安定薬
20:23 ベンゾ系
22:11 その他
22:46 どの薬が一番いいか
25:10 離脱症状
25:51 入院のメリット
26:16 サプリメント・ホルモン剤

本日は、精神科の薬を全部解説、というテーマで動画を撮ります。

このタイトルで撮った動画がちょうど2年か3年前ぐらいなんです。
ちょっと古くなったので、そろそろ撮り直してみようかなと思ったので、動画を撮ります。
細かい薬の話というよりは全体像をざっくり理解してほしいので、精神科の薬ってこういうものだよ、こういう感じで使ってるよ、という話も併せてします。

『今日の治療薬』という薬の本です。
だいたい日本で売ってる薬はこの本に入ってるんですけど、この本を読みながら、ダラダラと解説します。

精神科の薬というと色々な種類がありそうですが、簡単に分けると5種類です。
抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、ベンゾ系、その他に分かれます。

抗精神病薬というのが統合失調症の人に使われるドパミンをブロックする薬です。
抗うつ薬というのが、主にうつ病の人に使うセロトニンを増やすような薬、気分安定薬というのは、躁うつ病の人に使う、躁とうつをグッと抑えるような、気分を安定させるような薬、ベンゾ系というのが抗不安薬や睡眠薬、ちょっとお酒に似たような薬たち+α、その仲間たちです。
その他というと、認知症の薬、ADHDの薬、断酒薬、漢方、そういうものが入る感じです。

統合失調症でもうつ病でも躁うつ病でもない人は何を使うんですかというと、これらを組み合わせで使うんです。

例えばパーソナリティ障害でうつが強い人には抗うつ薬を使ったり、不安障害の人にも抗うつ薬を使うし、強迫性障害の人にも抗うつ薬を使うし、気分の動きが激しい場合は抗精神病薬を使ったり、気分安定薬を使ったりするという感じです。

発達障害の人にもADHDの薬を使うんだけれども、うつが強かったら抗うつ薬を使ったり、ADHDの薬とうつの薬の相性が悪い時には抗うつ薬を優先させるときもあるし、感覚過敏に対しては抗精神病薬を使ったりするという感じです。
激しかったり、やや妄想的だったりすると抗精神病薬を使ったり、抗うつ薬の増強療法としての抗精神病薬を使ったりします。
認知症やせん妄の人でも抗精神病薬、認知症でうつがひどいときには抗うつ薬を使ったりするんですけど、基本的にはこれら薬の特性を理解してやるという感じです。

結局、脳内で何が起きているかというのはまだわかってないんです。
病名は、症状と病気の経過からこういう病気があるに違いないと分類してるんですけど、実際その分類通りに脳の変化が起きているのかというと、起きてないことも多いんです。
起きているのかもしれないけれど、現代の科学力では何だかわからない、うつ病と不安障害の境目がわかりにくかったりとかしてるというのがあるので、そういう背景の脳科学、脳神経科学の理論や発見のイメージを使いながら、臨床的にはうまく組み合わせてやっているという感じです。

精神科の薬というのは、メインとオプションとサブみたいな感じで、ハンバーガーセットみたいな感じなんです。
例えばうつ病だとメインは抗うつ薬で、多分抗うつ薬一つだとちょっと調子が悪い場合は増強療法としてリチウムを使ったり、抗精神病薬をかましたり、眠れないので睡眠薬を使うみたいな感じなんです。
ハンバーガー屋さん行って、ハンバーガーと水というのもありかもしれないですけど、オプションをつけて、3種類ぐらいになってしまうことが多いです。

それは医者がサボってる、薬を売りつけたいのではなくて、眠れなかったりすると、抗うつ薬だけだとうまくいかないので睡眠薬を合わせた方がやりやすいよね、とそういう組み合わせを使うということがあります。

とは言っても、多剤療法は良くないので、たくさん使うのは良くないので、縛りがあるんです。
多剤療法というのは何かというと、3種類以上あるということです。
例えば抗精神病薬が2種類じゃなくて3種類以上ある、抗うつ薬が3種類以上ある、ベンゾ系の薬、睡眠薬が3種類以上ある、抗不安薬が3種類以上ある、というのが多剤療法ということになります。

ベンゾ系、睡眠薬と抗不安薬は合わせて合計3つまでというのがルールとしてあるので、このルール内で治療する、抗うつ薬も2種類ぐらい、抗精神病薬も2種類まで、そういう感じです。
こういうのを組み合わせてやってるよ、という感じでしょうか。

一個ずついきますか。

◾️抗精神病薬

抗精神病薬というのは統合失調症でよく使われる薬ですけれども、主にドパミンをブロックする薬なんです。
ドパミンというのは脳の神経伝達物質の一つで色々な機能があるんですけど、主にドパミンというと、気力が湧くような、グワッとエネルギーを出すような脳の神経回路によく使われる物質なんです。

神経伝達物質というのは、通貨みたいなものなんです。
日本ではよく円が使われますよね、でもドルも流れてるよね、アメリカだとドルが多いけれども、他のお金、仮想通貨も回ってるよね、そんなイメージです。

ドパミンというと、ドパミン自体が何かを促すというわけではなくて、ドパミンをよく使う神経細胞、神経系、神経と神経の伝達なので脳は、神経系は気力が出る、食欲が出る、攻撃的であるのが多かったりする、という感じです。

定型と非定型にまず分かれるんです、抗精神病薬というのは。
定型というのは昔ながらの薬で、非定型というのは新しい薬です。
単純にそう覚えてください。

定型の薬はほとんど使わないです。
入院中にちょっと激しい人に対して使ったりすることがあります。

定型でよく使うとするとコントミン、ヒルナミンでちょっと眠気を出したいから使う、点滴もあるからセレネース(一般名:ハロペリドール)を使う、他にはドグマチールですかね、よく皆さんが使うのは。
ドグマチールは内科でもよく使ってるので。
商品名がドグマチール、一般名だとスルピリド、少量だと抗うつ効果、多いと抗精神病薬として機能するという感じです。
幻覚妄想に効く、と。

胃薬的にも使う時があるんです。
何かストレスが溜まってるときって胃が荒れるじゃないですか。
ドパミンを抑えてあげることによって胃が荒れにくくなるというのがあったりします。
というのがあるので、胃もたれしてる人には使ったりするというのは、ちょっとしたイメージとして覚えてもらうといいかなと思います。
それが定型です。

ただ、定型というのは、定型のみならず精神科の薬で覚えててほしいのは古い薬ほど強力であり、そして副作用も多いということなんです。
定型の場合は強力だけど、副作用が出やすかったりします。

例えばパーキンソン症状、手が震えたり、歯車様固縮、小刻み歩行、仮面様顔貌というんですけど、そういうパーキンソン症状だったり、アカシジア、足がムズムズする、ジスキネジア、ちょっとモゴモゴしてしまう、そういうものが起きやすいので、基本的は非定型を使うよ、新しいやつの方を使うよということになります。

新しいやつで非定型というと、SDAとMARTAとDPA(ドパミン・パーシャル・アゴニスト)、SDAがセロトニン・ドパミン・アンタゴニスト、セロトニンドパミン遮断薬と呼ばれるやつで、MARTAというのが色々なところに効くよ、と。
マルチのMARTAです。
MARTA、多元受容体作用抗精神病薬、通称MARTAと呼ばれんですけど、色々なところにくっつけようと、ドパミン・パーシャル・アゴニスト、ドパミンの部分的な作動薬と呼ばれるドパミン受容体部分作動薬と呼ばれるやつです。
こういうのに分かれます。

一個ずついくと、SDAと呼ばれるものは、例えばリスペリドン、ブロナンセリン、ルーラン、ラツーダなどがアレかなと思います。

SDAの特徴は、ドパミンを部分ピンポイントで抑えるようなイメージです。
ドパミンを抑えて、セロトニン系もちょっと抑えてあげるんです。
セロトニン系も抑えることによって、セロトニンはすごい大事なもののような気がするんですけど、セロトニンの中でも大事じゃないやつもあるんです、簡単に言えば。
そのセロトニン系のやつもブロックすることによって副作用が起きにくくなるということなんですけど。
セロトニン・ドーパミン・アンタゴニストかな。
アゴニストというのが作動薬で、アンタゴニストがブロックの薬です。
覚えなくていいですから。
そういうやつ、リスペリドンなどですね。

MARTAと呼ばれているものがクエチアピン、オランザピン、クロザリルと呼ばれるものです。
あとは最近だとシクレストかな。
アセナピン酸と呼ばれるやつで、色々なところにくっつくんです。
SDAだとセロトニンとドパミンのブロックだけど、MARTAと呼ばれるものは色々なところとくっつきます、簡単に言えば。
色々な受容体にくっつくので、効果がマイルドというか、色々効くみたいなイメージなんです。
副作用も出にくかったりする。

SDAに比べてパーキンソン症状やアカシジアが出にくいんだけど、今度は食欲を増す、糖尿病のリスクや脂質異常症、高脂血症のリスクが上がるというのが難点です。
でも幻覚妄想だけじゃなくてうつにも効いたりするというのもMARTAの特徴です。

あと、DPA、ドパミン・パーシャル・アゴニストの方ですけど、これはエビリファイ。
最近だとブレクスピプラゾール、レキサルティですね、レキサルティがあります、と。

★動画の文字起こしはこちらのnoteに【全文掲載】されています。
https://note.com/wasemenblog
(文字起こし自体がない動画もあります)

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